【Open Innovation Talk Report EP.007】タイの緑茶市場を席巻! 年間最大売上約500億円企業が掲げる“3N戦略”とは?〜第7回「Ichitan Group」 - mediator

Blog 【Open Innovation Talk Report EP.007】タイの緑茶市場を席巻! 年間最大売上約500億円企業が掲げる“3N戦略”とは?〜第7回「Ichitan Group」

2021年12月01日 (水)

TJRI
【Open Innovation Talk Report EP.007】タイの緑茶市場を席巻! 年間最大売上約500億円企業が掲げる“3N戦略”とは?〜第7回「Ichitan Group」のメイン画像

タイに日本の緑茶ブームをもたらした「Ichitan Group(以下イチタン)」は同時に、日本とタイを繋げる架け橋として存在感を発揮。飲料業界に留まらず、北海道や静岡など地方自治体と連携した観光プロモーションや日本の食文化の発信などタイ人に向けたさまざまな仕掛けを行っています。そんな同グループの顔であり、広告塔として自ら表舞台に立つCEO・タン氏と副社長を務めるタナパン氏に今後の展望、日本企業に期待するもの、そして鍵を握る “3N”について尋ねました。

日本食ブームの火付け役から緑茶市場No.1へ

ガンタトーン:
世界的な経済誌『Forbs』では市場に変革をもたらす人物として評価され、タイで最も成功したビジネスマンとしてタイの飲料市場を牽引した実績を誇るタン氏ですが、実はそれ以前にタイの日本食ブームの火付け役として一役買った、私自身も足を向けて寝られない大先輩です。

タン氏:
ご紹介ありがとうございます。おっしゃる通り、私自身が初めてビジネスを手掛けたのは1994年の日本食レストランです。今は日常的に気軽に日本食を食べられる場所が増えましたが、当時は美味しい日本食が食べられるレストランはバンコク都内でも稀少で、美味しいものを食べようと思えばお金がかかる。日本へ頻繁に旅行できる時代でもなかったので、誰もが少なからず日本食への憧れを抱いていました。

そこで思いついたのが、気軽にたくさん食べられる日本食の食べ放題レストランです。私自身、日本の漫画やアニメをきっかけに日本文化に傾倒していたこともあり、タイに日本の魅力を伝えたいと1994年に開業しました。その成功を機に居酒屋など飲食ビジネスを展開した後、北海道や静岡県と連動したプロモーションや商品開発など日本と連動したビジネスを本格的に始めることになりました。日本の食文化の一つである緑茶に注目したのもその頃ですね。

ガンタトーン:
そういった経緯を経て、2010年に創業したのが「イチタン」なんですね。

タン氏:
社名である「イチタン」は商品とお客さま、そしてスタッフのみんなが一つにまとまるという意味と、自身の名前を掛け合わせました。また日本が好きだからこそ、あえて日本語を取り入れました。

イチタンの歩みと現在の取り組み

ガンタトーン:
ここからはイチタングループの副社長を務めるタナパン氏に、これまでの歩みと現在の取り組みを簡単にご説明いただきます。

タナパン氏:
弊社は、緑茶のスッキリとした味わいに甘さを加えることでタイ人の嗜好に合った独自の緑茶飲料を開発し、それを軸に事業を展開してきました。創業から3年経った2013年 にはタイのRTD(Ready To Drink:栓を開けてすぐ飲めるドリンク) のお茶部門でNo.1シェアを獲得、14年には一部上場を果たすと共にインドネシア法人を設立。18年には静岡県とオフィシャルパートナー契約を締結し、現地の茶葉を使ったタイ人向けのプレミアムティーの開発・販売を始めるなど精力的に商品のバラエティ拡充に取り組んできました。

ガンタトーン:
工場をはじめ、世界基準の技術と機械を導入していることも特徴の一つですね。

タナパン氏:
イチタンはタイの飲料業界最大の生産能力を誇り、緑茶飲料はもとより炭酸飲料やハーブ飲料などアルコールを除く200種以上の商品を提供できる生産体制を構築しています。それを可能にするのは、世界最先端の生産技術とシステム・品質管理です。スチーム工程以外をFA化することで、高水準かつ安定した品質を実現することができます。また、日本の澁谷工業から導入する低温無菌充填システムもその要因の一つです。

そして開発から生産、配送まで、ワンストップサービスを提供できるのも弊社の強みだと考えています。自社商品の他、OEMも承っているのでご興味ある方はぜひご相談ください。弊社が保有するタイ国内で30万店を超える販路もご活用いただければと思います。

イチタンが見据える未来と日本企業

ガンタトーン:
今後の展望を教えていただけますか?

タナパン氏:
既存の商品や開発技術、販路を活かしたビジネス拡大は前提ではありますが、コロナ終息後は「健康」「高齢化社会」「オンラインビジネス」というキーワードが非常に重要になると考えています。ただ、それらに応えるためには自社だけでは賄えないので、ぜひ皆さまの力をお借りして次代に求められるサービスを実現できればと思います。

そこで掲げているのは、①新商品の開発(New Product)②新規市場の開拓(New Market)③新規ビジネス立ち上げ(New Business)の“3N”です。これらの延長線上には、タイ人の生活水準の底上げ・向上を見据えています。

ガンタトーン:
前述した3Nを実現するために、日本企業に求めるものは何でしょう?

タナパン氏:
具体的には、次の通りです。 ①新商品の開発としては、特に枠を設けていません。お茶における新商品はもちろん、お茶以外の飲料、そして飲料以外の商品と幅広く皆さまのアイデアをお伺いできればと思います。

②新規市場の開拓としてはタイ国外、世界進出に向けた新ブランドやWブランドの立ち上げも視野に入れています。また、弊社が持っていない海外販路をお持ちの企業との協業の可能性も探っています。逆に、日本の商品をタイで流通させたいと考えている方には、弊社の販路やマーケティングなど商品訴求のサポートも可能です。この他、前述した北海道や静岡県のように、日本の地方自治体とさらなる協力関係を結んでいきたいと考えています。

最後に③新規ビジネス立ち上げは、これからの時代に欠かせない5Gデジタル技術に沿った継続的な事業開発です。弊社は、お茶の商品以外にも新たなビジネスチャンスを常に探っており、現在は飲料だけでなく、テクノロジーを活用した健康ビジネスにも興味を持っています。幅広い分野で一緒に付加価値のあるビジネスを生み出していける企業と積極的に協業をしていきたいと思っています。

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執筆 山形 美郷

日本での編集業務を経て、タイのビジネス系・ライフスタイル系フリーペーパーなどで執筆。“タイの暮らし”をテーマに、現地に生きる人々のインタビューを通して現地のリアルを発信。ガイドブックや日本のカルチャー雑誌などでのライター・コーディネーター業務も請け負う。

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