全国行脚でタイのマーケット攻略法を伝える
僕は毎年、たくさんの回数のセミナーをこなしています。
Table of Contents
地方に行くことも多いです。いえ、地方の方がメインといった方がいいかもしれません。2017年10月にも日本全国を行脚して回りました。九州、四国、北陸。ざっと数えて、年間に10回以上にもおよぶと思います。
セミナーだけではありません。
最近はメディアへの露出も増やしています。7月には、「日経プラス10」(BSジャパン)に出演しました。「撤退続く日本企業“ASEAN攻略”は可能か!?」というテーマで、司会の小谷真生子さんの質問に答える形でのTV出演です。
日経新聞にも2014年、2015年と取材してもらいましたし、WISEやARAYZのようなタイのフリーペーパーにも、タイ人を代表するような形で取り上げてもらっています。
こうした機会に僕が訴えたいことはいつも同じです。
タイに進出する日本の企業にタイの事情を正しく伝えたい。タイのことをよく知って、成功してもらいたい。日本企業の強みを生かしてタイのマーケットを開拓してほしい。その一念です。
今回は、なぜ僕がこんなにも多くのセミナーで、タイのマーケット攻略方法についてセミナーを開いているのか。その経緯や思いをお話したいと思います。
僕には僕の強みがある
日本に留学し、大学を卒業してから在京タイ王国大使館工業部に5年間勤めた後、僕は2008年にタイに戻りました。
当時、タイには日本の製造業の進出が相次いでいたため、日本人が経営するコンサルタント会社がいくつもありました。しかし、その半分ほどは会社登記や人材紹介などを手掛ける会社。残り半分はというと、残念ながらあまり実体のない会社が多かったように思います。
当時の僕には大使館工業部に勤めた経験しかなかったので、コンサルタント会社のような業務ができるわけがありません。また、それをやろうとも考えませんでした。
僕には僕の強みがある。
僕ならではの仕事があるはずだ。
既存のコンサルタント会社と同じことをするのは絶対にやめよう。
僕が追求したのは「僕だからこそできること」。だって、同じことをやっても勝ち目はありませんからね(笑)。
人格の根っこを形成しているのは日本の価値観
じゃあ、僕の強みとは何なのか?
僕は、18才〜28才という多感な時期を日本で送りました。この経験は何者にも代えがたいと考えています。
一人の人間の価値観を形成する大切な時期に僕はタイではなく、日本で過ごした。だから、僕の価値観は日本人に近いです。日本人と同じ目線でタイ人を見ることができる。タイを客観的に見つめることができます。タイに帰国してからもう10年近い年月が経っていますが、ガンタトーンという人格を形成している根っこの部分はいまでも「日本」なのです。
そんなタイ人は非常にまれな存在だと思います。
タイに戻ったときも、タイ人の友人からは「おまえは日本人だね」とよく言われました(笑)。仕事で使う言語も98%は日本語です。タイ人としてタイで暮らしながら、日本人の価値観を持って日本語で仕事をしている。
これが、ガンタトーン・ワンナワスなのです。
日本人の違和感や疑問の源がよくわかる
タイ人でありながら日本人の価値観を持っている。
だから僕には、階級社会のタイに対し日本人はどんな違和感を感じているのか、日本人がどのようにタイ人に接していけばいいのかがよくわかります。
階級制度がない日本では、責任や役割を誰もがみな平等にフラットに担うものだと考えられていますが、正直言って、この考えはタイでは通用しません。タイでは無理です。不可能です。
もし僕が完全な日本人であれば、「そんなのはおかしい」と決めつけてしまうかもしれません。完全にタイ人であれば、「責任や役割は階級によって異なるのが当然」と断言してしまうもしれません。
でも、僕は日本人的な思考回路を持ったタイ人なので、日本人がタイの現実にどんな疑問を持ち、どこにフラストレーションを感じているのかがよくわかります。だって、それはタイに戻ってきたときの僕自身なのですから。
自分が経験したことも含めて、タイの現実について情報をしっかりと整理した上で、裏付けをもとに日本人に日本語で説明できるのは僕の強み。もっといえば、僕にしかできないことだと思っています。