【対談】ツルハドラッグの仕事を通して多くを学んだ 前編 - mediator

Blog 【対談】ツルハドラッグの仕事を通して多くを学んだ 前編

2018年06月04日 (月)

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メディエーターのこれまでを振り返るとき、ツルハドラッグの仕事を抜きで語ることはできません。それほどまでに大きなターニングポイントとなったこの案件で大活躍してくれたのが僕の右腕、オーちゃんです。彼女がどんな役割を果たしたのか、僕たちはツルハドラッグの仕事から学んだことは何だったのか。対談形式で振り返ります。

それは思いつきから始まった

オー:ツルハドラッグの仕事は、もともとはガンちゃんのなにげない思いつきから始まったんだよね。
ガンタトーン:そう。ある日、突然「タイに日本のドラッグストアは来ていないなあ」「あればいいのに」と思って、僕のお客さんの一人で化粧品の研究をしている人に電話したのが始まりでした。
オー:「どこか誘えないでしょうか」って聞いてみたんでしょう?
ガンタトーン:いきなりだよね(笑)。でも、僕が電話をかけた人の上司が「ちょっと探してみます」と言ってくれて、その数日後に「ツルハドラッグって知っていますか?」という電話がかかってきた。
オー:ものすごい展開。ツルハドラッグのことは知らなかったんでしょう?
ガンタトーン:全然(笑)。でも、そこからトントン拍子に話が進んでいって、2009年12月にツルハドラッグの経営陣と会うことになりました。
オー:何気ない思いつきでも、まずは行動することが大切だということがわかります(笑)。

洪水とともにオーちゃんがタイにやってきた!?

ガンタトーン:ツルハドラッグがタイで店を開くには当然タイ側のパートナーが必要になる。そこで、つてを頼っていろいろ相手先を探していたところで、サハグループの人と接点を持つことができた。早速、ツルハの方から資料をもらって、サハグループの日本人窓口の担当者に会いにいったら本当に決まっちゃった(笑)。2010年には、ライオンを辞めてツルハの立ち上げメンバーとしてタイに駐在している高瀬彰夫さんと初めてお会いました。
オー:高瀬さんはいま、メディエーターの顧問として働いてもらっているから、ご縁を感じるよね。
ガンタトーン:まさに縁。縁といえば、オーちゃんが戻ってきてくれたタイミングもよかったな。
オー:私がタイに戻ってきたのは、ツルハのタイ駐在員オフィスができそう、という頃だよね。
ガンタトーン:そうそう。その数か月前に「戻ってきてよ」「こっちで会社を作ったから」とオーちゃんに声をかけていたら、本当に実現した。オーちゃんが戻ってきたのは2011年9月かな。タイが大洪水に襲われて、バンコクも大変な時期だったからよく覚えています。
オー:大洪水とともに私がやってきたわけだ(笑)。

京都でシュークリームを売っていた小売業のプロ

ガンタトーン:オーちゃんがそれまで日本で何をしていたかについては興味がある人も多いと思うので、ここでちょっと披露してみてください。
オー:そんなに興味がある人、いるかな(笑)。私は当時、京都のシュークリームの会社で仕事をしていました。まず販売の仕事からスタートして、デリバリーのために車の運転をしたこともあるし、シュークリームを焼いて火傷をしたこともあるし、なんでもやった。小売業のプロでした(笑)。
ガンタトーン:催事に出て、むちゃくちゃ売ったこともあるんでしょう?
オー:駅地下の催事に1週間出たときに、1日の売上70万円を打ち立てた。自慢ですね。でも売上を上げるためにいろいろな工夫をしたのよ。行列が切れそうになったら、ゆっくり接客するとか(笑)。
ガンタトーン:なるほど。そうすれば列が切れるのに時間がかかる…。

オー:日本人のアルバイトもたくさん使ってました。もう、ばりばりですよ。やりがいはありましたね。ガンちゃんから連絡をもらったのは、ちょうど会社から埼玉への転勤をオファーされて迷っていた頃。埼玉といっても本当に地方で、周囲には工場以外何もないような環境だからどうしようか。日本にも8年いたからそろそろ戻ろうかと思っていたときだったから、ガンちゃんの誘いには迷いなく「やる!」と返事をしたのよね。
ガンタトーン:ありがたいです。
オー:ツルハドラッグのことは知らなかったけれど、日本のドラッグストアは大好きでよく利用をしていたから、その進出に携わることができるのはうれしいと素直に思いました。

製造業と流通業は服装も話す中身も違う!?

ガンタトーン:ツルハドラッグの仕事を手がけるようになってから、メディエーターはペーパーカンパニーからステップアップできたと思います。
オー:本当にそうだよね。
ガンタトーン:ツルハに深く関わったのは最初の3年間ほどだけど、毎月コンサルタント料が入ってきたので、それで家賃を払って、オーちゃんを始めスタッフを雇うことができた。何より、小売業のノウハウを得ることができたのは大収穫だったな。
オー:私は2012年7月にツルハドラッグの1号店がオープンする前の3ヶ月、ずっと準備作業に追われていたんだけど、それこそマネージャー候補の面接からスタッフの研修や通訳、店舗運営マニュアルの翻訳もやって、日本のスタッフの接客教育までなんでもやった。それまでメディエーターは製造業のお客さんが主だったので、ツルハの仕事で会う人たちの服装から話の内容までまったく違うことにもびっくりしたっけ(笑)。
ガンタトーン:とても同じ日本人とは思えないほど違うから(笑)。
オー:あまりの違いにとまどいつつ仕事自体は面白かった。学ぶことが山のようにありました。

mediator のすべて」とは?

このブログは、「日本とタイをつなぐプラットフォームになりたい」その思いのもと mediator を立ち上げた代表のガンタトーンが、過去を振り返り、現在をどう過ごし、未来をどうかたちにしていくのか…今の気持ちを素直に表現したブログです。
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執筆 三田村 蕗子

ビジネス系の雑誌や書籍、Webメディアで活動中のフリーライター。タイをもう一つの拠点として、タイはじめとするASEANの日系企業や起業家への取材も手掛ける。新しい価値を創出するヒト、店、企業の取材が得意技。コロナ禍で絶たれたタイとの接点をどう復元するか模索中。

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