「FruitfulはWonderful」!日本産青果物の魅力・安全性をオリジナルスイーツを通して訴求 - mediator

Blog 「FruitfulはWonderful」!日本産青果物の魅力・安全性をオリジナルスイーツを通して訴求

2021年04月24日 (土)

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新型コロナウイルス(COVID-19)の影響により、日本に渡航できないタイ人の間では日本産青果物への需要の高まりを見せていた2020年。⽇本貿易振興機構(以下、JETRO)バンコク事務所は、タイ市場における日本産青果物の消費拡大等を目的にタイのカフェチェーン等と連携し、日本産青果物の魅力を発信するプロジェクト「Fruitful Japan」を実施しました。 既存の小売店等でのB to C ではなく、B to Bを通した消費者への商品提供は、各所で大きな反響を獲得。mediatorは本プロジェクトの運営事務局を務め、日本側へ日本産青果物加工品の手配から提供までのサポート、タイ側の協力店舗を増やすための営業活動や各店舗のPR活動の支援などを行いました。

mediator としての取り組み・目指したものは「仕入れ側・消費者側」の相互理解

本プロジェクトの大きな狙いは新規商流の構築、消費拡大のための日本産青果物の魅力発信、残留農薬検査を通した安全性の訴求でした。ご協力いただいたのは、タイで人気の飲食店やカフェ、デザート専門店など8ブランド(Ampersand Gelato、Guss Damn Good、HEARTBAKER、Kyo Roll En、 Lemoncurd Bread and Coffee、Little Baker、TEA101、The Confiture)。各店舗と連携し、日本産の生鮮青果物及び青果物加工品を使って新メニューを開発・販売を行いました。 ※各店舗が使用した青果物や開発・販売したオリジナルメニューはこちら

mediator として意識したのは、各店舗のコンセプトに合わせた“継続的なメニュー化”。こちらの都合で食材を押し付けるのではなく、前述した青果物とその特徴を提示し、その中で「お店のコンセプトに合う」と共感していただいたものを選んでいただきました。メニューとお店のイメージの齟齬を避けることで、「今後も日本産青果物を使いたい」と思っていただくことが、今回に限らず継続的かつ長期的なお付き合いに繋がると考えました。同時に、日本産青果物がどのような行程を経てタイに届いているか、厳正な残留農薬検査を通過しているという「安全性」についてもお伝えさせていただき、ご理解いただいた上で新規メニューを開発・販売できたことは今後に繋がる一つの成果だと感じています。

その一方で、タイ人消費者に向けてのPR活動で念頭に置いたのは「おいしそう」「食べてみたい」と思わせるビジュアル性の高さと、青果物がどのような想いで生まれ、育てられてきたのかというストーリーの発信です。近年、タイでは食へのこだわりが強まり、産地を含めた背景に興味を持つ方が増えてきているため、各店舗を通して詳細な情報を伝えることにも重きを置きました。

カフェ・スイーツ店を介して消費者へ“日本産スイーツ”を訴求

これまでの事例としては、生産者や支援機関が生産時のこだわりや安心・安全を直接タイ人消費者へ訴えるB to Cの手法によるPRが多かったのですが、そのなかで一部拭えなかったのは「日本産青果物は高い」という先入観。それを踏まえ、今回はターゲットであるタイ人消費者により身近な存在であるカフェやインフルエンサーの方々に参加してもらいPRを実施することで、想定よりも多くのタイ人消費者にリーチすることができました。

同時に、価格面や賞味期限がボトルネックだった生鮮青果物の商流面を「青果物加工品」として新規構築することで提供価格や賞味期限といった問題を解消。豊富な種類のスイーツをタイ市場で提供することが可能となり、ご協力いただいた8ブランドの皆さまから高い評価を頂くことができました。

予想を上回る販売数を達成!参加店舗・利用客それぞれの反響

本プロジェクトでは各店舗と相談した上で事前に販売数を決めていましたが、ほとんどの店舗で予想を上回る反応を受け、追加注文を頂いたことは嬉しい誤算でした。

タイで和スイーツを提供する人気カフェ「Kyo Roll En」では、3月前後が旬の果物「マヨンチット(Marian Plum:ビワのような形をした高級フルーツ)」と高知県産ゆずを使用したジャムを組み合わせたロールケーキを開発。事前販売数を月150本としていたところ、販売直後の反響が大きく結果的にはその5倍となる750本を超えるロールケーキが提供されたとの報告をいただきました。同店では過去にもマヨンチットを使った季節限定のロールケーキを販売していたのですが、新たにクリームやスポンジにゆずを使用したことで和のテイストがプラスされ、注目度が高まったのだと感じます。

また、宮崎県産さつまいもの紅はるかの焼き芋を使ったアイスクリームを開発したボストン発のアイスクリーム専門店「Guss Damn Good」では1週間で1200個を販売。焼き芋にバターを塗ってフライパンでもう一度焼き上げ、ほくほくとしたなめらかなさつまいもの食感を残しながら、甘みのあるアイスクリームに仕上げ、「まるで本物の焼き芋を食べているみたい」「アイスの中に本当の焼き芋も入っているから食感もいい」「焼き芋の自然な甘さが嬉しい」といった多くの高評価を頂くことができました。

高まる日本産青果物の人気と今後への期待

日本の生産者、タイ企業、そしてタイ人消費者の笑顔を見ることができ、より一層の日本産青果物・食品の需要拡大の期待に胸が膨らみつつ幕を閉じた本プロジェクト。海外での販路や需要の拡大にはタイ人の嗜好を理解し、タイに合ったビジネス、商流を考えた戦略、地道で継続的な活動が必要不可欠です。Mediatorでは、これからも日本や日本企業の魅力がよりタイで輝けるよう、新しいアイデアとネットワークでサポートを続けていきたいと思います。

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執筆 mediator

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