昨年12月、ノックエアが広島―バンコク線を就航して以降、中国地方や四国地方が注目を集めており、タイ人観光客も徐々に増加しています。観光客誘致は勿論、愛媛県はビジネス・経済面での連携を深めることを目的に今回、ミッション団を派遣しました。
mediatorは、マスコミや招待客への招聘業務、イベントの会場設営や各種制作物の手配物の準備、タイ企業への訪問依頼等、経済交流ミッションに係る業務全般をお手伝いさせて頂きました。 今回は、その様子をお届けします!
タイのドライフルーツをより美味しく!愛媛県の食品乾燥機を贈呈
1月13日(月)、愛媛県とタイ工業省による会談、食品乾燥機の寄贈式に中村 時広県知事とスリヤ工業大臣が同席しました。農業国であるタイでは、外国人旅行客のお土産として人気の高いドライフルーツの生産事業を活発に行なっています。
今回は、経済分野での連携強化の象徴として、愛媛県内企業であるエヌエスコーポレーションが、ドライフルーツに適した天日干しを再現できる新技術を持つ食品乾燥機をタイ工業省研究機関に寄贈しました。この寄贈式には、「MCOT」「Channel 7」「Thai PBS」などを含む14社のメディアが集まり、大変注目を集めました。通訳を通さずに仲睦まじく談笑をする中村知事とスリヤ大臣の姿も多く見られ、良好な関係を築いていることがうかがえました。
現地タイ企業を視察し、知見を深める
タイ市場を知ること、タイ企業とのネットワーク構築のため、松山商工会議所の会員や県の関係者31名がタイ企業を視察。ベルギー創業の高級タイ料理レストランBlue elephant、自動車部品製造企業のP quality machine parts Co.,Ltd.、LH mall&hotel Co., Ltdが経営するTerminal21を訪問しました。
近年、航空産業や宇宙産業、医療関連等の商品開発・製造にも力を入れているP quality machine parts Co.,Ltd.の代表Pattanasak Saensomros氏は、最新のテクノロジーや高い製造技術を持つ日本企業との協業・連携を期待していると説明しました。
また、企業訪問型ビジネスマッチングでは、塗料・仕上げ材メーカーのフジワラ化学会社、衛生用紙の製造販売会社イトマン株式会社、容器・放送資材メーカーである山陽株式会社が、タイ企業を個別で訪問。販路開拓・OEM委託企業探しのため、それぞれ訪問先企業でタイ市場での販売可能性や現地企業のニーズ等をヒアリングしました。
県内商品・観光地を積極的にPR!愛媛県の底力
PRプロモーションイベントでは、「すご技」「すごモノ」「すご味」「観光」という4つのカテゴリーで、39社51名がブースを出展し、愛媛県が誇る商品や観光スポット等を紹介。中村 時広知事は、愛媛県の自然や産業、食や観光地等を紹介するプレゼンテーションを行いました。タイの飲食店経営者やディストリビューター、訪日旅行を取り扱う旅行エージェント等31社43名にご参加いただき、また、愛媛県のゆるきゃらである「みきゃん」も登場し、会場は大いに盛り上がりました。
「すご技」・「すごモノ」ブースでは、新技術を使って開発された衛生・美容商品、伝統文化と職人技で作られる今治タオル・砥部焼・桜井漆器等の伝統工芸品が数多く並びました。日本の古き良き伝統と、現代の技術を組み合わせ作られた商品からは、愛媛県の優れたものづくりの文化を感じました。
また、観光ブースでは、「千と千尋の神隠し」の油屋のモデルになった道後温泉、家族や友人と瀬戸内海の景色を見ながらサイクリングを楽しめる瀬戸内しまなみ海道などを紹介。ロケ地への訪問やアクティビティが好きなタイ人にとても好評でした。
そして、タイ人の参加者の皆様から特に人気だったのは、みかんゼリーやあまなつピールなど、愛媛が誇る日本一の柑橘類を使った加工食品並ぶ「すご味」ブースです。みかんが好きなタイ人は非常に多く、ブースは常に賑わっていました。
より一層深く、より一層強い関係の構築を目指して
今回の愛媛県による経済交流ミッションは、タイとの交流・連携強化への意気込みを強く感じるものでした。タイ国内での愛媛県の知名度はまだまだ高くはありませんが、多くの方がイベントに参加してくださり、またミッション終了直後には「愛媛のみかん農家と取引がしたい」という問い合わせがある等、愛媛県とタイのさらなる可能性に期待が膨らみました。
mediatorは、今後も日本とタイが共に飛躍できるよう、日タイの架け橋として双方をサポートしていきたいと思います。