彼女がいなかったらいまのメディエーターはない
僕にはいま、力強い相棒がたくさんいます。
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社内にも社外にも、タイにも日本にも、僕をサポートし、応援し、ありがたい助言をくれる仲間がたくさんいます。
なかでも、メディエーターの創業当時からずっと僕の右腕であり続けてくれている存在がオーちゃんです。
彼女がいなかったらいまの僕はないし、メディエーターもない。それほどまでに僕を支えメディエーターを支えてきた頼りになる相棒、オーちゃんについて、今日はお話したいと思います。
オーちゃんと知り合ったのは、僕が在京タイ王国大使館に勤めていた時代です。彼女は僕の同僚でした。
大使館で働くタイ人女性は2通りに分かれます。日本人男性と結婚したタイ人か、日本の大学を出て大使館に勤め、いずれはタイに戻る、と決めているタイ人か。その2つです。
オーちゃんは後者。その働きぶりは大使館の中でも群を抜いていました。
彼女なら安心して仕事を任せられる
オーちゃんは日本を訪れるタイの要人のアテンドを担当していました。首相や大臣、それから王室関係の方々です。
シリントーン王女のアテンドを受け持ったこともあれば、現国王であるワチラーロンコーン皇太子のアテンドを担当したこともあります。超VIPの方々ですから失敗は許されません。
綿密な計画を立て、きっちりと段だりを行い、慎重に業務を遂行する必要がありますが、僕は彼女といっしょの仕事で不安を感じたことがありません。
なぜか。
オーちゃんだからです。
彼女は業務を完璧に理解し、目標の立て方、仕事の進め方を熟知していました。与えられた役割を安心して任せられる。彼女にお願いすれば間違いない。仕事はほぼ成功したも同然。
僕は彼女に対して全幅の信頼を置いていました。
目配り、気配り、心配りの達人
オーちゃんはチュラロンコン大学で日本語を学び、大阪大学の大学院を出た後、大使館で働き始めました。
彼女がすごい点は、目配り、気配り、心配りの3つに長けている点です。
この3つの違いがわかりますか?もちろん僕も日本で働きだしてから学んだことですが、同じことのように見えて、この3つが意味するところは全部違うんですね。
目配りは、細かいところまで目を向けて、その状態や様子をしっかりと確認することをいいます。気配りとは、相手の気配やその場の雰囲気を感じ取った上で、アクションを起こすこと。心配りも気配りと似ていますが、気配りのさらに上を行くというか、一歩進んだ配慮です。相手の立場や心情を推察し、想像した上で先回して行動しなければなりません。
この3つをこなすのは日本人でも難しいと思います。
でもオーちゃんはそれができていた。僕が彼女を心から信頼している理由の1つです。
先に退職する彼女を見送った日
僕は大使館に5年勤務しましたが、オーちゃんはそれよりも早く退職をし、京都にあるシュークリームの会社に転職しました。
彼女のことだから、どこにいっても実力を発揮して、元気に働いていくに違いない。ばりばりと自分の道を切り開いていくだろう。
そう思いながらオーちゃんを見送った僕も、2008年に5年間勤めた大使館を退職し、タイに戻りました。
帰国後の僕の仕事については、「なぜ僕は日本とタイをつなぐプラットフォームを目指すのか 後編」の回でお話しましたが、僕は当時、フリーランスで仕事をしていました。仕事はありがたいことにたくさんいただきました。お金はなかったですが(笑)。
強力なパートナーが必要だ
オーちゃんから連絡があったのは、僕が大使館を辞めた1年後のこと。彼女もタイに戻ってきたというではないですか。
それからすぐに二人でいっしょに仕事をした、と言いたいところですが、現実は彼女は彼女で、僕が信頼している日本人の仕事を手伝っていました。近いところに居ながらも、いっしょの仕事をしていたわけではありません。
しかし、ツルハドラッグがタイに進出することになり、僕がその一大プロジェクトに本格的に携わることが決定したとき、僕は考えました。
これほどの仕事となると僕一人では無理だ。強力なパートナーがいる。
誰がいる?
オーちゃんしかいない。
僕とオーちゃんの二人三脚はこうしてスタートしたのです。