【プレスリリース】JAXA、アジア初のマッチングイベント~宇宙ビジネス促進でタイのGISTDAと連携~ - mediator

Blog 【プレスリリース】JAXA、アジア初のマッチングイベント~宇宙ビジネス促進でタイのGISTDAと連携~

2022年07月18日 (月)

商談会
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プレスリリース

 宇宙ビジネスへの民間企業の参入が相次ぐ中で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は6月28日、タイ地理情報宇宙技術開発機関(GISTDA)との共催で「日タイ宇宙ビジネスウェビナー・マッチングイベント」を開催しました。JAXAとしてはアジアでのこうしたイベント開催は初めてで、タイの起業家に対しタイと日本のビジネス共創関係強化のメリットをアピールしました。

 前半のウェビナーではまず、在タイ日本大使館の梨田和也特命全権大使が開会あいさつし、「かつては主に科学技術の視点から各国政府機関を中心に学術研究や開発などが行われていましたが、2000年代以降、米国を中心に徐々に民間企業が宇宙に関わる活動をけん引するようになってきました。民間部門における宇宙の産業化とイノベーションが進み、われわれの社会や経済を変えつつあります。これはアジア地域でも例外ではなく、宇宙活動の目的が科学技術発展のためから社会課題解決と社会経済発展のためへと変化し始めています」と指摘。その上で、「タイ政府は近年、宇宙分野における開発や産業振興に対してコミットメントを高めており、宇宙関連の法整備等を進めています。日タイ両政府ともに、民間部門による宇宙技術の活用に向けて新たな一歩を踏み出そうとしています」と述べ、宇宙ビジネス分野における日タイ両国の協力関係の強化を訴えました。

一方、続いて登壇したGISTDAのパコーン長官は「日本とタイは20年以上、宇宙活動で協力関係を育んできました。当初は特に日本の衛星からの地球観測データの活用に焦点を合わせていましたが、われわれは地理情報、気象情報、宇宙での実証研究、宇宙ビジネスで関係を強化、深化させています」と強調。GISTDAは国の競争力を強化するために単独ではできないことを認識しており、宇宙エコシステムで生き残るために連携し、技術革新を行い、その技術を定着させていくとの方針を示しました。

日本の宇宙政策の現状については内閣府・宇宙戦略推進事務局の坂口昭一郎審議官が、特定地域の上空にとどまる軌道をとる人工衛星である準天頂衛星(QZSS)システムについて、アジア太平洋地域の天頂付近に常時存在する1基を含め現在の4基体制から、2024年3月までに7基まで拡充する計画を説明。また、日本とタイの宇宙協力では、インフラ整備と産業利用の普及拡大を進めているほか、新たなアプリケーションの開発・実証、タイにおける普及活動も本格始動していると報告しました。

さらにJAXAの新事業促進部の伊達木香子部長は、JAXAの主な活動分野は①ロケットなど宇宙輸送システム②人工衛星③有人宇宙技術④宇宙科学分野の研究⑤航空分野-の5つだとした上で、宇宙産業振興における具体的取り組みを報告。また新しいプログラムとして、民間企業をパートナーとした「商業デブリ除去実証」プログラムや、民間企業と新しい宇宙ビジネスを事業化するJ‐SPARC事業などを紹介しました。

一方、タイの宇宙政策についてはGISTDAの宇宙技術開発事務局のナタワット博士が、GISTDAとしての衛星打ち上げは2008年のTHEOSのほか、あと2基予定していると報告。また、GISTDAにとっては社会課題の解決が重要であり、ソリューション提供の主な対象分野として、①農業②天然資源③都市④自然災害⑤水管理⑥マッピング-の6分野を挙げました。一方で、こうした「下流」分野だけでなく、最近は「上流」分野である衛星製造にも取り組んでおり、チョンブリ県のスペース・クレノベーション・パーク(SKP)を活用して支援していく方針を示しました。

イベントの後半は、マッチングに参加した宇宙分野のベンチャー企業として日本の4社、タイの2社がプレゼンテーションを行いました。日本企業4社の概要は以下の通りです。

日本企業4社の概要

(1)SpaceBD
「衛星の打上げ」や「宇宙空間での実証実験」を目指すお客様に、宇宙空間にモノを運ぶための最適なプランを提示。技術調整から打上げ実現、運用支援までを、トータルにサポートします。

(2)Synspective
衛星データを利用したソリューションサービス、および小型合成開口レーダ衛星の開発と運用。

(3)天地人
宇宙ビッグデータを活用し、まだ誰も気付いていない土地の価値を明らかにしていくスタートアップ企業です。高精度・高分解能な地球観測衛星データと独自開発の土地評価エンジンでビジネスソリューション開発を行います。

(4)Avatarin
「avatarin」プラットフォームを介して、体を移動させずに人の意識と存在感を伝送する。既存の移動手段の課題を解決し、より気軽に、よりエコに、より多くの人々が、宇宙を含め行きたい場所へ瞬間移動できる新たな移動手段を普及させます。

タイ企業2社の概要

一方、マッチングに参加したタイ企業は以下の2社です。

(1)mu Space Corp
2013年に設立された東南アジアの航空宇宙メーカーおよび衛星インターネットサービスプロバイダー。

(2)Ricult Company
農業生産性向上などのために衛星画像を使って気象や地理条件など分析するサービス、アプリケーションを提供します。

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執筆 mediator

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