こんにちは、mediator 代表のガンタトーンです。私たちが立ち上げた日タイ情報発信プラットフォームTJRIでは、タイ企業のニーズのご紹介やセミナーの開催を通じて、日本企業とタイ企業がお互いを知り、興味を持ち、連絡を取りたいというきっかけを作り出したいと思っています。
今回ご紹介するタイ企業は、1913年創設のタイ王国最古かつ最大手のセメント製造企業SCG(The Siam Cement Group Public Company Limited.)です。SCGは、タイ国内外に200以上のグループ会社と49,700人の従業を抱え、ASEAN最大のコングロマリットの一つにも数えられています。主要事業は、セメント建材メーカーのCEMENT-BUILDING MATERIALS、石油化学事業を手がけるCHEMICALS、製紙事業のPACKAGINGの3つで、2020年の売上高は1.4兆円にものぼります。
また、SCGは、持続可能な社会の実現に向けた活動にも積極的に取り組んでいます。Dow Joes Sustainability Indices(DJSI)*の建設資材産業部門では世界ランキングNo.1を獲得し、その他にも環境やサステナビリティ関連の数々のグローバル機関にも加盟しています。ASEANにおけるサステナビリティのリーディング・カンパニーとみなされており、タイの就職先人気ランキングでは常に上位にランクインしています。
SCGのセメント建設資材事業部門は、ますます多様化する顧客の要望に応えるために組織や事業モデルの変化の過渡期にあります。特にニューリテール、ネットゼロ、サービスソリューション、インダストリー4.0、新製品開発分野を重要なテーマとしており、建設と住環境の統合基準を上げていくこと、そしてタイ国内外の企業や組織との協業にも注力しています。
今回の “Open Innovation Talk” では、SCGから2名のゲストスピーカーをお招きし、SCGが取り組むOpen Innovationと優れた新技術を持った日本企業との協業で希望する分野(製品開発とDX)や方向性について皆さんと一緒に探っていきたいと思います。
* DJSIとは:米国ダウ・ジョーンズ社とスイスのSAM(Sustainable Asset Management)が選んだサステナビリティ株式指標のことです。世界34カ国、59種の産業の大手企業2500社の中から、環境、経済、社会の3分野から企業の持つ持続可能性(Sustainability)を測り、SAMの評価が上位10%の約300社の株式銘柄を選んでその株価と配当利益を指標に組入れた株式指標です。
|ニーズと利用可能なアセット
[1] インダストリー4.0(スマートインダストリー)分野の技術パートナー
【ニーズ】
予兆診断、監視、管理をSCGが独自に構築できるデータ分析のためのプラットフォーム
- インダストリー4.0を促進するデジタルツインプラットフォーム技術
- 工場管理を正確にし、機械操作を効率的にするAI技術
- 製造現場のスマートデジタルオペレーションと自動化技術
【利用可能なアセット】
- 200以上の子会社
- 主要製品と生産能力
- セメント(灰色)- タイ国内消費分 2300万トン/年
- セメント(灰色)- タイ国外消費分 100万トン/年
- 570のセメント工場
- 屋根用製品 9800万m2/年
- 壁用パネル、天井、合成木材 1.13億m2/年
- 床用・壁用のセラミックタイル 2.25億m2/年
[2] BEV事業の技術パートナー
【ニーズ】
BEV関連のサービス統合やエコシステムプラットフォーム開発の技術
- 操作性と安全性の向上のためにリアルタイムでBEVの作動を追跡できるシステムの技術
- V2G(Vehicle to Grid)技術
【利用可能なアセット】
- SCGインターナショナルコーポレーション社のBEV事業
法人顧客向けのEVフォークリフト、EVトラック、EVトレイラー、EVバス、EVミニバン、EV乗用車など
[3] ホームIoT関連の技術パートナー
【ニーズ】
利便性、安全性、エネルギー(太陽光発電インバーターなど)、または衛生用品/衛生ソリューションに役立つホームIoT
- さまざまなモノがインターネットにつながることで、利用者が屋内外どこからでもアプリを通してデバイス(エアコン、照明、TVなど)を簡単に操作できるイノベーション技術
- 音声コントロールもしくはアプリでON/OFF操作ができる技術
【利用可能なアセット】
- スマートホームシステム「Smart Living」
[4] 脱炭素化または気候変動関連のイノベーション技術パートナー
【ニーズ】
- 温室効果ガスの排出を削減するための脱炭素化技術
- 高付加価値製品を製造するSCGの工場向けカーボン・キャプチャー(二酸化炭素回収)技術
【利用可能なアセット】
- 200以上の子会社
- 主要製品と生産能力
- セメント(灰色)- タイ国内消費分 2300万トン/年
- セメント(灰色)- タイ国外消費分 100万トン/年
- 570のセメント工場
- 屋根用製品 9800万m2/年
- 壁用パネル、天井、合成木材 1.13億m2/年
- 床用・壁用のセラミックタイル 2.25億m2/年
[5] 建物用資材の技術パートナー
【ニーズ】
軽量で強度や耐熱性に優れ、衛生的かつ防音効果があり、設置しやすいセメントやコンクリートの建材
- 環境に配慮したグリーン製品
- 生活環境や労働環境を衛生的に保つ製品
【利用可能なアセット】
- 54種類以上のグリーン製品とソリューション
- SCG HOME SOLUTION、HOME MART
- SCGの旗艦店「SCG EXPERIENCE」
Seminar Details
Open Innovation Talk EP.005 | SCG
2021年9月22日(水) タイ時間:15:00 – 16:30 / 日本時間:17:00 – 18:30
参加費:無料
配信:ZOOMを使ったオンラインLIVE配信
言語:日本語 / タイ語の逐次通訳
司会:ガンタトーン・ワンナワス|mediator co., ltd. CEO
主催:Thai – Japanese Investment Research Institute : TJRI(日本企業研究所)
Guest Speaker
Mr. Jirapat Janjerdsak
Innovation Management Office, Director, SCG-Cement and Building Materials
[WEB]
これまでGemplus (Thailand) でインドシナ半島全域のスマートカード事業の開発責任者、Nokia(Thailand)で開発者のエコシステムの統括、Microsoft (Thailand)でAPECのGTM戦略担当、POPS Worldwideのコンテンツ事業の製造開発の統括、Siri VenturesでCTO(最高技術責任者)を務めた後、現在はSCG-Cement and Building Materialsのイノベーション管理事業部のDirectorを務めている。
Mr. Anurak Bannasak
Open Innovation and Alliance Management Manager, Corporate Innovation Office, SCG
[WEB]
2006年にSCGに入社以来、知的財産の専門家として、また特許業務と特許専門家、戦略的投資のIPインテリジェンス、域内のIP管理を統括するマネージャーを9年務めた後、2015年からは現職のオープンイノベーション及びアライアンス管理部門のマネージャーとして、SCGのオープンイノベーションと戦略的提携プログラムの推進を担っている。
チュラロンコーン大学工学部核技術科 修士及びチェンマイ大学工学部鉱山工学科 学士 取得
Agenda
1. TJRIのご紹介
2. タイ企業ニーズ紹介
3. ゲストトーク
- SCG Groupの事業概要のご紹介
- SCGセメント建設資材事業部門のご紹介・今後の事業計画
- SCGのニーズ発表と日本企業との事業提携の機会提供
4. Q&A
産業の高度化を目指して、次々に政策を打ち出すタイ政府ですが、タイ側の企業も日本を含む外資系の企業も厳しい競争下に置かれています。これまでの産業構造が変わろうとしている近年において、日本企業とタイ企業はこれまで以上に強い連携(資本共有、人的・人脈共有、ノウハウ共有等)が必要と感じています。私たちTJRIは、今後益々求められてくる日タイ連携強化に向けて、タイ企業と日本企業をつなげ、両者にメリットのあるビジネスをつくりだすことを目的に、タイで活動する日本企業と日本企業との協業に興味のあるタイ企業を紹介するオンラインセミナー “Open Innovation Talk” を運営しております。